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# Extract PDFmark
[ Japanese (日本語) / [English](./README.md) ]
PDF からページモードやリンクの宛先名を抽出し PDFmark として保存します
https://github.com/trueroad/extractpdfmark
http://www.ctan.org/pkg/extractpdfmark
TeX のようなシステムを使って PDF のドキュメントを作る場合、
図としてたくさんの小さな PDF を用意して、
メインの PDF に貼り付けるようなことが行われます。
このとき、図の PDF では同じフォントを使っていることが多いと思います。
図の PDF にフォントのサブセットが埋め込まれていた場合、
TeX システムはそのフォントをそのままメインの PDF に埋め込みます。
結果として、
メイン PDF には重複した同じフォントの異なるサブセットが埋め込まれます。
サブセットが異なるため重複したフォントを削除することはできません。
よってメイン PDF のファイルサイズは、かなり大きくなってしまいます。
一方、図の PDF にフォントをフルセットで埋め込んだ場合、
TeX システムはフルセットのフォントをメインの PDF へ埋め込みます。
メイン PDF にはたくさんの重複したフォントが埋め込まれますが、
すべて同じフルセットのフォントです。
そのため、Ghostscript を使えば重複を削除することができ、
これによってメイン PDF のサイズを低減することができます。
(注意: Ghostscript 9.17 から 9.21 は重複フォント削除のために
`-dPDFDontUseFontObjectNum` コマンドラインオプションが必要です。
Ghostscript 9.22 以降は重複フォント削除ができなくなくなったため、
フルセット埋め込みの方法を採ることができません。
詳細は
https://ghostscript.com/pipermail/gs-devel/2017-September/date.html
や
http://lists.gnu.org/archive/html/lilypond-devel/2017-09/index.html
をご覧ください。
この場合は、次に示すフォントを一切埋め込まない方法を採る必要があります。)
さらに、図の PDF に一切フォントを埋め込まなかった場合、
TeX システムはフォントが欠けたメイン PDF を出力します。
この場合、Ghostscript は必要なフォントを埋め込むことができるので、
必要なディスク容量を劇的に減らすことができるようになります。
(注意: Ghostscript 9.26 以降で CID フォントを埋め込みたい場合は、
https://bugs.ghostscript.com/show_bug.cgi?id=700367
と
https://bugs.ghostscript.com/show_bug.cgi?id=700436
をご覧ください。)
いずれの方法でも、
Ghostscript へ TeX システムの出力したメイン PDF を入力し、
最終的な PDF を出力することになります。
しかし、残念ながら、この処理で Ghostscript は PDF のページモードや
リンクの宛先名を残してくれません。
そのため、最終的な PDF は意図したとおりに開かれなかったり、
リモートからのリンクが機能しなくなったりしてしまいます。
http://bugs.ghostscript.com/show_bug.cgi?id=696943
http://bugs.ghostscript.com/show_bug.cgi?id=695760
Extract PDFmark は PDF からページモードやリンクの宛先名を抽出し、
PDFmark として保存することができます。
このツールを使うと、ページモードやリンク先名を残したまま、
サイズの小さい PDF を得ることができます。
## 使い方
$ extractpdfmark TeX出力.pdf > 抽出したPDFmark.ps
$ gs -q -dBATCH -dNOPAUSE -sDEVICE=pdfwrite \
-dPDFDontUseFontObjectNum -dPrinted=false \
-sOutputFile=最終.pdf TeX出力.pdf 抽出したPDFmark.ps
(注意: Ghostscript 9.26 以降は `-dPrinted=false`
コマンドラインオプションが必要です。詳細は
https://bugs.ghostscript.com/show_bug.cgi?id=699830
をご覧ください。)
## バイナリパッケージからのインストール
いくつかのディストリビューションには `extractpdfmark` パッケージがあります。
* Debian
* Ubuntu
* Fedora
* Cygwin
* etc.
## [ソース tarball](
https://github.com/trueroad/extractpdfmark/releases/download/v1.1.1/extractpdfmark-1.1.1.tar.gz) からのインストール
### 必要なもの
Extract PDFmark は poppler にある 3 種類のインタフェースのうち、
どれかを必要とします。
Extract PDFmark をビルドする際に、どれを使用するか選択してください。
#### poppler-cpp I/F (推奨)
[poppler](
https://poppler.freedesktop.org/) 0.74.0 以降が必要です。
Extract PDFmark の configure スクリプトは、
pkg-config が poppler-cpp >= 0.74.0 を見つけたら
poppler-cpp I/F を選択します。
configure スクリプトのオプション `--with-poppler=cpp` によって、
本 I/F の使用を明示的に指定できます。
パッケージを使って準備したい場合には、以下が便利でしょう。
* Debian / Ubuntu
+ libpoppler-cpp-dev
* Fedora
+ poppler-cpp-devel
* Cygwin
+ libpoppler-cpp-devel
#### poppler-glib I/F
[poppler](
https://poppler.freedesktop.org/) 0.78.0 以降が必要です。
Extract PDFmark の configure スクリプトは、
pkg-config が poppler-cpp >= 0.74.0 を見つけられず、
かつ poppler-glib >= 0.78.0 を見つけたら
poppler-glib I/F を選択します。
configure スクリプトのオプション `--with-poppler=glib` によって、
本 I/F の使用を明示的に指定できます。
#### poppler-core I/F (非推奨)
[poppler](
https://poppler.freedesktop.org/) 0.13.3 から 0.75.0
に以下のオプションをつけてビルドしたものが必要です
(推奨 poppler 0.48.0 から 0.73.0)。
* --enable-xpdf-headers (poppler 0.59.0 まで)
* -DENABLE_XPDF_HEADERS=ON (poppler 0.60.0 から 0.72.0)
* -DENABLE_UNSTABLE_API_ABI_HEADERS=ON (poppler 0.73.0 から 0.75.0)
poppler 0.74.0 以降の場合は、この I/F より poppler-cpp I/F の方を推奨します。
poppler 0.76.0 でこの I/F に破壊的変更が入ったため、
poppler 0.76.0 以降ではこの I/F を使ったExtract PDFmarkのビルドが失敗します。
Extract PDFmark の configure スクリプトは、
pkg-config が poppler-cpp >= 0.74.0 を見つけられず、
poppler-glib >= 0.78.0 を見つけられず、
かつ poppler 0.24.4 - 0.75.0 を見つけたら
poppler-core I/F を選択します。
本 I/F には private 版と通常版の 2 種類があります。
poppler 0.24.4 から 0.47.0 の場合は private 版が選択されます。
poppler 0.48.0 から 0.75.0 の場合は通常版が選択されます。
configure スクリプトのオプション `--with-poppler=core-private` によって、
private 版の使用を明示的に指定できます(poppler 0.13.3 から 0.75.0 用)。
configure スクリプトのオプション `--with-poppler=core` によって、
通常版の使用を明示的に指定できます(poppler 0.48.0 から 0.75.0 用)。
poppler 0.13.3 から 0.24.3 を使うには、
configure スクリプトのオプション `--with-poppler=core-private` を
明示的に指定する必要があります。
しかし、これらのバージョンでは Extract PDFmark の `make check`
で一部のテストに失敗します。
パッケージを使って準備したい場合には、以下が便利でしょう。
* Debian / Ubuntu
+ libpoppler-private-dev
+ libpoppler-dev
* Fedora
+ poppler-devel
* Cygwin
+ libpoppler-devel
### ビルド・インストール方法
$ ./configure
$ make
$ make install
`Ghostscript` 9.14 以降と `diff` 等があれば、
以下のようにインストール前にテストすることができます。
$ ./configure
$ make
$ make check
$ make install
## [Git リポジトリ](
https://github.com/trueroad/extractpdfmark)からのインストール
ソース tarball のビルド要件と追加の要件が必要です。
### 追加で必要なもの
Autoconf 2.69 以降
Automake
autopoint 0.19.6 以降(gettext 0.19.6 以降)
### 追加で推奨するもの
pdfTeX (テスト PDF の生成用)
Ghostscript 9.14 以降(`make check` 用)
### ビルド・インストール方法
$ git clone
https://github.com/trueroad/extractpdfmark.git
$ cd extractpdfmark
$ ./autogen.sh
$ mkdir build
$ cd build
$ ../configure
$ make
$ make check
$ make install
## News
[News](./NEWS)
## ライセンス
Copyright (C) 2016-2022 Masamichi Hosoda
Extract PDFmark is free software: you can redistribute it and/or modify
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but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of
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